5月のりりーふでは、特別支援教室の学習で行うことのあるSST(ソーシャルスキルトレーニング)という学習を取り入れた授業を行いました。
学校生活を送る上で、友達や先生など人とのコミュニケーションが必要となる場面はたくさんあるものの、コミュニケーションスキルについて学ぶ機会というのはほとんどありません。日々の生活の中で少しずつ学んで身につけることを前提としているからです。
乳幼児期は、限られた親しい人の中で生活をしていますが、学童期に入ると出会う人の数が増え、様々な個性を持った多様な人と関わっていくことになります。
そのような小学校という新たな生活の場で、安心感を得て生活できるようになるために、SST学習をしておくことは有益だと考えています。
前置きが長くなりましたが、授業について紹介していきましょう。
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今月は14組の親子が参加でした。新規の方がほとんどですので、まずは3つのお約束の説明から行いました。
気持ちを伝える学習をするために、まずは伝え方のスキルについて学習します。
ロールプレイ学習(寸劇のようなもの)を通して、客観的に場面を見ます。
今回の場面設定は、①声が小さすぎて相手に伝わらない場面 と ②話しかけるタイミングが悪くて相手に伝わらない場面 を取り上げました。
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こどもたちは、ロールプレイの様子をよく見ていました。
「本を読んでいる時に、話しちゃったから。」
「本を読むのに、集中しているから。」
「本を読んでて、気づかなかったんじゃない?」
などと、どこがまずかったのかを自分の言葉で説明することができていました。
相手に伝えるためには、「声の大きさ」「相手との距離」「話しかけるタイミング」というポイントが大切だと気付けました。
次に、イラストを見て気づいたことを発表しました。
先ほど学んだポイントを意識し、挙手をし、発表の番になったら自分の意見を話すという練習をしました。
見たこと(事実)を話す練習で、ウォーミングアップです。自信を持って発表できるように促します。
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そしていよいよ、今日の本題、気持ちの学習に入っていきます。
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気持ちを表す言葉や表情についてみんなで意見を出していきます。
幼児期なので語彙はまだ少ないものの、自分の知っている気持ちを表す言葉を教えてくれました。
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気持ちを表す言葉と表情について確認できたところで、みんなの気持ちを聞くクイズをしていきました。
次のような時、あなたはどんな気持ちになりますか?
「今日の晩御飯が、焼き魚だった」
・嬉しい・・・好きだから。美味しいから。
・普通・・・好きでも嫌いでもないから、どっちでもいい。
・悲しい・・・骨が刺さったことがあるから。
「誕生日プレゼントが届きました。開けると、ドラえもんのぬいぐるみが入っていました」
・悲しい・・・可愛いものが好きだから、違うものがよかった。
・プンプン・・・プリキュアのキャラクターがよかった。
・嬉しい・・・好きだから。ふわふわやわらかいから。
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自分の気持ちに近い表情カードを選び、選んだ理由を話してもらいました。
表情カードを選ぶのに迷っている人や、2つのカードが混ざっているという人や、友達の考えを聞きながらカードを選び直す人やさまざまでした。
同じ質問でもひとそれぞれ気持ちが違うことがあるということに、気づいてもらえていたらいいなぁと思います。
気持ちはひとそれぞれ違うからこそ、自分の気持ちを相手に伝えらるようになってほしいですし、相手の気持ちを知ろうとする姿勢を身につけていってくれたらと思います。